給与トップ > 相談事例集 > 昭和の職能給を今も使う危険性とは?中小企業の賃金制度が時代遅れになる理由

昔ながらの職能給制度のコピーを持ってきた社労士

当社は鹿児島県です。社歴が100年以上になる会社です。賃金制度の整備が課題なので、地元鹿児島の社会保険労務士の先生にご依頼しました。ホームページでは賃金制度作りで実績があると書かれていました。その社労士が提案してきたのは職能級制度で、先生は何十年も前に勉強した頃のものでした…。

(鹿児島県・製造業・社員100人・60代・社長)

.先日はセミナーを受講させていただき、ありがとうございました。
今日は、中小企業の賃金制度のことで相談させてください。当社は鹿児島県で製造業を営んでいます。社歴は100年以上、社員は約100人。長く続いてきた会社ですが、中小企業の賃金制度だけは、どうしても時代に合わなくなってきました。 .
100年企業ですか。それは大きな財産ですね。長く続いてきた中小企業ほど、賃金制度の見直しは避けて通れません。

.ええ。ただ、その歴史がある分、制度は継ぎはぎ状態です。そこで、地元鹿児島の社会保険労務士の先生に、中小企業の賃金制度の整備をお願いしました。ホームページには「賃金制度づくりの実績あり」と書かれていて、期待していたんです。 .
それで、どんな中小企業の賃金制度を提案されたんですか。

.これです。(資料を差し出す)
正直、見た瞬間に嫌な予感がしました。大昔の職能給の賃金表だったんです。50年以上前、昭和の時代に普及した制度を、そのまま写したような内容でした。昔の教科書に載っていたような、典型的な職能給制度です。 .
……昭和型の職能給ですね。今の中小企業の賃金制度としては、かなり時代差があります。

.はい。職能等級が1級、2級、3級と並んでいて、年数を重ねれば自然に上がっていく。説明の中で、その社労士の先生はこう言いました。「これは、私が何十年も前に勉強した頃の王道の制度です」と。 .
昔の王道が、今の中小企業にそのまま通用するとは限りません。

.ええ。当社は確かに古い会社ですし、鹿児島という土地柄もあって、年功的な考え方が残っているのも事実です。でも、昭和の時代に普及した職能給制度を、今の中小企業の賃金制度として使うことには、強い違和感がありました。
若い社員からは、「何を頑張れば評価されるのか分からない」「差がつかない」という声も出ています。だからこそ、中小企業の賃金制度をきちんと整えようと思ったんです。 .
その違和感は、とても自然です。多くの中小企業の社長が、同じところで悩まれています。

.さらに驚いたのは、その後の話でした。先生はこう言ったんです。
「まず、課業の洗い出しをする職務調査に1年間」
「次に、職務分析に半年間」
「さらに、社員の意識を測るモラルサーベイに半年間」
などなどで、中小企業の賃金制度を作るのに合計3年間かかりますと。 .
3年間……。

.はい。しかも、総予算は1000万円。その瞬間、頭が真っ白になりました。
3年後の中小企業の姿なんて、正直、誰にも分からない。原材料費も人件費も不透明な時代です。そんな中で、「3年待ってください」と社員に言えるだろうか、と。 .
中小企業の現実を考えると、現実的ではありませんね。

.ええ。職務調査だ、職務分析だと、立派な言葉が並ぶ。でも私は、中小企業の賃金制度として、本当にそこまで必要なのかと思ってしまいました。完成した頃には、現場の仕事が変わっているんじゃないか、と。 .
ハッキリ言いますね。中小企業の賃金制度づくりにおいて、職務調査など無意味です。

.……はっきり言いますね。 .
はい。中小企業の現場は、仕事が流動的です。人が足りなければ皆でカバーする。役割も日々変わる。それを何年もかけて細かく切り分けても、中小企業の賃金制度としては使い物にならない。調査が終わった頃には、もうズレている。それが現実です。

.確かに……3年後には仕事の中身も変わっていそうです。 .
北見事務所では、
「調査のための調査」
「制度のための制度」
という中小企業の賃金制度づくりはやりません。

.では、北見事務所さんなら、中小企業の賃金制度をどう進めるんでしょうか。 .
半年間で、ほぼ仕上げます。進め方は明確です。半年間で進める具体ステップ

① 労務診断書の作成
まず、今の就業規則・賃金規程・運用実態を整理し、リスクと課題を一枚の労務診断書にまとめます。

② 「ズバリ!実在賃金」による賃金診断
制度上の賃金ではなく、残業・手当を含めた「実際にもらっている賃金」を正確に把握します。

③ 賃金改定案の作成
現実の賃金を壊さず、将来に向けて整理していく移行案を作ります。

④ 就業規則・賃金規程の作成(改定)
制度と実態がズレない規程に整えます。

⑤ 社員説明用資料の作成
なぜ見直すのか、何が変わるのか、変わらないものは何か。社員目線で整理します。

⑥ 求人表の作成
新制度に合わせ、ハローワーク用求人表を整えます。

⑦ 社員説明会の実施
社長の言葉で制度の背景を伝えます。

⑧ 労基署への届け出 ― 完了

.半年で、ここまでやるんですね。 .
やります。そして、作って終わりにはしません。

.というと? .
就業規則は、毎年のように北見事務所がメンテナンスします。法改正に対応し、実態とズレていないかを確認します。
さらに、顧客ごとの事業所台帳を作っています。従業員10人以上、50人以上などの区分を管理し、労基署に出すべき資料を、きちんと対応します。

.そこまで含めて、顧問なんですね。 .
はい。月額で数万円の顧問料をいただき、制度を守り、使い続けられる状態を保ちます。中小企業の賃金制度に必要なのは、納得度とスピードです。